OBD LinkとCar Scannerを使ってクルマの状態を見てみた。

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エンジンチェックランプが、また点いた。。。
前回のP0171(燃料が薄い)エラーからようやく復調したと思ったのに、再点灯。
これまでA/Fセンサー、O2センサー、エアフロセンサー、プラグ、イグニッションコイルは交換してきているのでそれらは正常。

となると、燃料ポンプかインジェクターが怪しい。

燃料ポンプは注文済みですが、一度データを確認しておきたい。
そこで導入したのが、Bluetooth接続でECUの状態を読み取れるデバイス――OBD Linkでした。


OBD Linkとは?

OBD(On-Board Diagnostics)は、エンジンやセンサーの状態をECU(車のコンピュータ)から取得できる診断ポート。OBD Linkは、そのポートに差し込むだけでスマホアプリと通信できるデバイスです。

ELM327などの安価な製品も多いですが、通信が途切れたりログが欠けたりすることがあるそうです。OBD Linkはその点、接続が安定していて応答が速い。走行中のデータ記録にも安心して使えます。

筆者が今回購入したのは「OBD Link LX」。
価格は「まぁまぁするなぁ」と思いましたが、安物を買って失敗するのも嫌なので、購入しました。


Car Scannerアプリで“車の声”を聞く

OBD Linkのデータを見るにはいくつかアプリがありますが、私は「Car Scanner」を選びました。iPhone/Androidどちらでも無料で使用することもできます。(ただし広告の表示あり)

Car Scanner ELM OBD2 - Apps on Google Play
Trip computer+car diagnostic tool with widest variety of features and dashboard!

私は今後も使っていくことを考え、永年ライセンスで購入しました。

使用方法は以下の通りです。

  1. OBD Linkを車のOBDポートに挿す(だいたい運転席足元あたりにあると思います。エクシーガはハンドルの下です。)
  2. スマホでBluetooth接続(「OBDLink LX」と表示されるはず)
  3. Car Scannerを起動 → 「接続テスト」を実行
  4. 自身の車両にあったプロファイルを選択

無事接続されると、車のセンサー値がリアルタイムで表示されます。
エンジン回転数、吸気量、燃料トリム、O2センサー電圧――普段は見えないデータ”がスマホ画面に表示されます。

ハンドル下のOBDコネクターに装着

走行ログを取ってみる

Car Scannerの「ダッシュボード」画面では、
燃調の推移やA/F比などを走行しながら記録できます。
後でCSVとして保存も可能。

実際に走行してみると、加速中やアイドリングでFuel Trim(燃料補正)がどう変わるかが見えてくる。数字が動くたびに、エンジンの内部で何が起きているのかが可視化されます。これは面白い。

このスクリーンショットはデモモードでの画面なので、各値はでたらめです。

走行ログのグラフ化

走行後、ロギングを止めると「記録」画面にログファイルが表示されます。
見たいログを選択し、グラフ表示したい項目を選ぶとスマホ画面上でグラフ化できます。
例えばA/F比やFuel Trim、エンジン回転数などを同時に表示すると、挙動の関連がよくわかります。

また、グラフはピンチ操作で拡大・縮小も可能なので、特定の区間を詳細に見ることもできます。
ログデータはCSV形式でも保存され、後でPC上でExcelやGoogle Sheetsで再解析も可能です。

※このデータは不具合を解消する前のものです。この記事を書いている時点では不具合解消済みなのですが、今から振り返ると相当におかしな状況になっているグラフです。


表示されないものもある

ただし、すべての項目が表示されるわけではありません。
スバル車両の場合、一部の専用PID(センサー値)はCar Scanner側で対応しておらず、燃圧や特定の温度センサーなどが表示できないことがあります。
それでも主要な燃調系パラメータは取得可能なので、P0171などの原因追跡には十分役立ちました。

※スバル特有のデータを参照するにはOpenport(コネクター形状のデバイス)+RomRaider(PCのソフトウェア)が必要なようです。こちらを使うと、Mapの書き換えもできるとか。こちらの方が高価なのですが、こっちにしておいた方がよかったかな、と少し後悔しています。なお、Openportと名乗った粗悪品がたくさん出回っているようです。確実なものを手に入れるには正規のサイトから購入した方が良いでしょう。

[Openport]

Tactrix Openport 2.0
(must choose adapters before adding to cart)

[RomRaidar]

RomRaider - Open Source ECU Tools | RomRaider / RomRaider

不具合個所の切り分けにも使えるが、それ以上に予防整備が出来るのがメリット

難しい知識はなくても大丈夫です。私はChatGPTにグラフ表示したスクリーンショットを見せて、何が起こっているのかを見てもらいました。

症状に合わせて、どのようなセンサーのデータを取ればよいかもChatGPTが教えてくれました。ご自分の車のメンテナンスを自分で行う方にはあると非常に便利なツールだと感じました。

不具合がまだ顕在化していない場合にも、ログを見ることで劣化し始めているものがないかを判定する上で有用だなと感じています。私は不具合として考えられるセンサー類を先に替えてしまいましたが、先にOBD Linkでデータを取っていたら、まだ交換不要なものもあったかもしれません。(ただし、総走行距離がそろそろ10万kmなので交換しておいて損はないですがね。)

このログを使って「P0171の原因をどう追い詰めていったか」については別記事を書こうと思っています。

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