【初めての車高調】スバル エクシーガでのCUSCO STREET ZERO A 長期使用レビュー

エクシーガ
記事内に広告が含まれています。

私の車人生の中で初めての車高調導入となった「CUSCO STREET ZERO A」。 これまで、純正形状ダンパー+ローダウンスプリングしか使ってこなかった私が、「車高調ってこういうものか」と感じながら、約30,000kmを走行したリアルな体験を記録しておきます。

このレビューは、現所有車のスバル・エクシーガ GT(YA5)にCUSCO STREET ZERO Aを導入した際の詳細な記録です。

導入までの背景

エクシーガではこれまで、ビルシュタインB6+Provaのローダウンスプリングという構成で走っていましたが、ダンパーとスプリングのミスマッチでフワフワとした動きが改善されない事と、アッパーマウントの劣化とともに突き上げがひどく、限界を感じていました。

適合品があればKYBの減衰力調整式の純正形状ダンパーを使いたかったのですが、設定がなく車高調を選択。

第一候補はENDLESS Function.com(BOXER PARANOIA監修)でしたが、予算の都合で断念。今回は初めての車高調として“自分の基準”を作る目的で、比較的手の届きやすいCUSCO STREET ZERO Aを選定。決め手は、20万円以下の価格帯の中で比較的高めに設定されていたバネレートです。

製品情報はこちら

https://www.cusco.co.jp/catalog/new_streetzeroa_red.html

導入時(2023年12月)のセッティング

  • スプリングレート:F:9kg/mm、R:9kg/mm(リアはショップ経由でメーカーと相談し標準設定外のレートに変更)
  • 減衰力初期設定 :F:12段戻し、R:14段戻し
  • 車高      :F:-60mm、R:-50mm(メーカー推奨値)
  • キャンバー角  :F:2.0° R:1.6°(フロントは調整できますがリアは車高が下がった分ネガティブになっているだけです。)
取付直後の姿

この9kg/mmというスプリングレートは、エクシーガ用としては吊るしの車高調の中で最も高い部類に入ります。とはいえ、硬すぎるという印象はなく、もっと高いスプリングレートでも良いかもしれないと感じました。

リアのスプリングは標準だと6、7、8kg/mmのスプリングレートから選べます。これを更にハイレートの9kg/mmのスプリングに変更しています。リアを吊るしより高バネレートに変更したのは、リアの挙動が安定した方が車全体の回頭性が良くなると考えたためです。

取り付け後、数百kmまでは突き上げ感がありましたが、600kmほどで馴染み、明らかに純正以上の乗り心地に改善。細かなギャップに対しても適度にストロークし、キャビンへの揺れは控えめ。上下のフワフワした動きや前後のピッチングが抑えられ、車酔いの原因も軽減されます。

「純正のような柔らかい足回り=快適」と感じる人には合わない可能性もありますが、私としてはCUSCO STREET ZERO Aの“路面状況をきちんと伝えてくれる”特性がむしろ快適に感じました。

減衰力調整の試行錯誤

まずは初期の減衰力(F:12段戻し / R:14段戻し)で様子を見ていましたが、高速走行時のうねりに対して収束性が悪く、

  • F:11戻し / R:13戻し →
  • F:10戻し / R:11戻し →
  • F:9戻し / R:9戻し と段階的に締め込んでいきました。

この設定でようやく「吸い付くような走り」を実感。高速でも右に左に安定した挙動を手に入れて満足していました。

アライメント再調整と車高調整(2024年9月)

車高調装着直後にアライメント調整を行った後、慣らし走行後の再調整を予定していましたが、なかなかスケジュールを調整できなく大きく空いてしまっていました。 ショップに相談したところ快諾いただき、2回目のアライメント調整を実施。

  • 特にリアのサスペンション動きが明確に改善し、乗り心地が良くなった
  • 車高も前後フラットに修正(F:-60mm / R:-50mm → F:-60mm / R:-60mmに均一化)
  • 荷物を積んでも尻下がりせず安定しており、リア9kg/mmのバネ設定が効いていた印象

乗り心地の改善はアライメント調整によるものか、それとも1G締結のし直しによるものなのかがはっきりわかりませんが良い方向に変わりました。。

どんどん減衰力締め上げていく事に

一度は納得いく動きになったものの劣化によるものでしょうか。装着時から20,000kmほど走行していく過程でどんどん減衰力を上げていかないとの安定感がなくなっていきました。

  • F:8戻し / R:8戻し:一般道では乗り心地が向上したものの、高速でのギャップ通過時に少し不満。
  • F:5戻し / R:6戻し:高速域でも安定感があり、納得のいく設定に。
  • F:3戻し / R:4戻し

もう、これ以上減衰力を上げる幅がわずか2段階ほどしかありません。「車高調の寿命は30,000km程度とよく言われるけどこんなにも劣化が早いものなのか・・・」と感じていました。

プリロードの見直しと劇的改善(2025年6月1日)

「減衰力をどんどん締めていかないと安定しない。車高調ってこんなに劣化するもの?」という悩みをショップに相談したところ、以下の様に指摘されました。

「これ、リフトアップしてもスプリング全く動かないね。プリロードがかなりかかっているでしょ?取付をしてもらったショップに指示したの?車高調は一般的にはプリロードをかけない(0プリロード)でセットするよ。フロントは反応良くするために数mmのプリロードはかけたりするけどね。プリロードかかってるとその分ダンパーはへたりやすくなるよ。」

自分でも確認すると、確かにスプリングが回りません。

プリロードについてあまり良くわかってなかったので調べてみると、プリロードかけてあるとその分反応性が良くなる。言い換えるとプリロードかけてある分、反発力が増す様です。体感として伸び側の減衰力が足りてない気がしていたので、プリロードかかっているなら抜いてみるのは効果がありそうです。

と言うわけで自分でプリロード抜きを行ってみることにしました。

ジャッキアップしてスプリングシートを緩めていくと前後とも10mmのプリロードがかかっていました。バネレートは9kg/mmなのでサスペンション1本あたり90kg分のプリロード、つまり車両全体で360kg分のプリロードがかかっている事になります。つまり沈んで戻ろうとする時に360kg分の力が余計にかかるということ?(←あってるのだろうか)。これを以下の様に変更しました。

  • 前後ともプリロードを0mmに再設定
  • 減衰力を再調整し、F:5戻し / R:6戻しに

その結果:

  • 突き上げが大幅に軽減
  • 減衰力は弱めているのけど高速でのギャップ通過時にもボディがすっと安定する
  • 乗り心地も改善
  • ただしステアリング操作に対する初期の車体の反応は鈍くなる

反応は鈍くなったのですが、全体としてはいい方に変化したなと思っています。しばらくはこの状態で乗ってみようと思います。

※↓プリロードについては以前以下の様に書いていましたが、必ずしもプリロード0がいいわけではないなと感じ始めました。撤回させて頂きます。

じゃあプリロードが有効な設定となるのはどういう場合なのか

安い部類に入る車高調ではプリロードは掛ける必要がないのだと思います。STREET ZERO Aもそうですが、この価格帯の車高調は減衰力調整が伸び側と縮み側で独立して設定できません。つまり減衰力を強めると伸び側も縮み側も減衰力が強くなり、その逆も然りです。

プリロードを掛けると伸び側の反発力が強くなるので、伸び側の減衰力が足りなくなります。そのストロークスピードを制御するには伸び側の減衰力だけを強める必要があります。この様な伸び側と縮み側の減衰力を独立して設定できるのは、サーキット走行に対応した製品になります。

↓この製品みたいな

https://www.cusco.co.jp/catalog/cusco_sport_tn_r.html

  • サーキットなどで挙動を積極的にセッティングしたい人/出来る人
  • 伸び側と縮み側の減衰力を独立して設定できる車高調を導入している場合

に限り、プリロードが有効なセッティング手段になるのだろうなと考えています。

総評純正形状サスペンションと車高調の比較:価格と性能の観点から

結論から言うと、純正形状のサスペンションキットを導入するより、車高調を入れた方が幸せになれる気がします。以下、私なりの比較を共有します。

🔧 価格面の比較

種類おおよその価格帯(4輪セット)備考
純正形状サスペンションキット約13万~22万円
(バネ4万円、ダンパー6万~15万円、工賃3万円程度)
減衰力固定 or 一部調整可。車高調整不可。
ダウンサス+純正ダンパー流用約7万~8万円
(バネ4万円、工賃3万円程度)
純正ダンパーの寿命次第ではコスパ良好。ダウンサスはものによって線間密着したりします。
CUSCO STREET ZERO A(車高調)20万円
(キット16万円(当時)と工賃(2回目のアライメント調整込み))
減衰力調整・車高調整可。
バネも選べる。

🏎️ 性能面の比較

項目純正形状サス車高調
車高調整❌ 不可✅ 任意調整可能(-60mm/-50mm等)
減衰力調整△(一部製品のみ可)✅ 40段階(STREET ZEROの場合)
乗り心地◯ 柔らかめ、万人向け◯~◎ 調整次第で好みに寄せられる
コーナリング性能△ 安定重視◎ よく曲がる。直巻きバネのおかげでストローク初期から反力が立ち上がる。
静粛性◎(ラバーマウント)△(ピロアッパーはロードノイズが増える)
耐久性〇純正に近い△シェルケースのネジ部分はどうしても傷みやすい
調整の自由度◎ 減衰力・プリロード・車高すべて調整可

純正形状のサスペンションはアッパーマウントの交換も必要な場合には車高調よりも高額になりがちです。それでいて性能面は純正プラスαであり、私としては車高調の方がコストパフォーマンスが良いなと感じます。

※もちろん車高調もピンキリであり50万円以上する商品もあります。ただその分性能は段違いらしいので、私も試してみたいものです。(遠い目)

総評

自身の知識不足による紆余曲折があり、CUSCO STREET ZERO Aの理想の状態を味わうことは出来なかったなと残念ですが、取り付けて減衰力設定がハマった時の乗り味、走り心地はとても気持ちが良く満足のいくものでした。プリロードを掛けない状態で乗れていたらさぞ満足のいく体験になったと思います。現在取付を行ってほぼ2年が経過しますが、シェルケースの目立つ錆びも発生していませんし、ちょっと懸念していたピロアッパーマウントによる異音も発生していません。この価格帯の車高調としてはなかなかいい物なのではないかと感じています。プリロード調整により劣化の速度も抑えられそうですし、50,000km程度は持ってくれるといいなと思っています。

約2年使用した状態の外観

これから車高調を入れようと考えている方へ

これから車高調を導入しようとしている方へ、私からお伝えしたいのは

乗り心地、走り心地に疑問・違和感を感じたらショップに相談してみましょう。

という事です。私は車高調のセッティングについて、知識がなかったこと、あるべき姿がわかっていなかったことで、今回の様な経緯をたどりました。早い段階でショップに相談していたら、早くに改善していたかもしれません。

これから車高調を導入する方は、「どう言う設定にするのか?」「プリロードは掛けるのか?」「再調整には対応してくれるのか?」について確認するのがよいと強くおすすめします。

ただ、ショップによって対応は様々で高い知識・技術をもって対応してくれるショップ、適当なことを言ってくるショップなどもあるので難しい所ですよね。。。自分も正しい知識を身に着けて、信用できるショップを探して行こうと思います。

この私の経験が、これから車高調の取付を検討している方の参考になれば幸いです。

🚗 本レビューは車高調初心者の主観です。ご参考程度にしてくださいね。

Amazon | CUSCO クスコ 車高調 ストリートゼロ エクシーガ YA5 2008年06月~ EJ20 2.0/2.0T 4WD | 車高調キット | 車&バイク
CUSCO クスコ 車高調 ストリートゼロ エクシーガ YA5 2008年06月~ EJ20 2.0/2.0T 4WDが車高調キットストアでいつでもお買い得。当日お急ぎ便対象商品は、当日お届け可能です。アマゾン配送商品は、通常配送無料(一部...

コメント

タイトルとURLをコピーしました